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1秒先の彼のamuのネタバレレビュー・内容・結末

1秒先の彼(2023年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジーものが苦手な私なのですが、結構楽しめました。

前情報を入れずに観たため、こんなにファンタジーな作品とは知らず展開に驚いたし、ツッコミどころが無いわけじゃないけれど、?と思っていた出来事の伏線回収が綺麗にされ、お話のベースがしっかりしていて面白く観れた。

あとから台湾の作品をリメイクしたものだと知った。台湾版は男女の立ち位置が逆のようなので、本作の印象とはかなり違っているのではと思うから、機会があれば本家作品も観てみたいかも。

主演の岡田将生さんと清原果耶さんはどちらも安定感のある役者だし、特に清原果耶さんは、「デイアンドナイト」でその演技にとても感動したし、「花束みたいな恋をした」では少ない登場シーンにも関わらず実力を感じる自然体の演技がとても良かった。なので、ジャケットから受ける印象は薄そうな作品だなぁ~(失礼)なのに、よく見ると良い役者使ってるなんて思っていたら、、山下監督だし!脚本クドカンじゃん!ってなった。笑

だからか~
さすがです、、、

ところどころで笑い、ほのぼのし、泣いた。

でもちょっと、意識無いのに目が開いてる人ってやっぱなんか怖いなと思ったり(そこ?)、運ぶ(砂浜を引きずる)の重すぎて無理じゃないかと思ったり(絶対重い!)、やること遅い女の子があの流木と貝殻でオブジェ作るのもっと時間かかりそう(確実に夜)とか思ってしまったりはした。


そのほかキャストについて。
一(はじめ)の子供時代、めちゃくちゃ可愛かった、。あんなにも心細い状況で隣のベッドにいるお兄さんがあんな風に自分を楽しませてくれたらものすごく救われただろうな…というのが伝わってきて、めっちゃぐっときた。泣

加藤雅也さんの服装含め役作り完璧だったのと、あとなんかもう、白いパピコだけで泣ける。

荒川良々さんの間のとり方だけで笑わせられるのもさすがでした。


山下監督のモラトリアムみというか、生きていくのってただハッピー!な毎日じゃなくて、人には言えないセンチメンタルさのようなものとかを抱えながらの日常を描くのやっぱり上手で、それらが画面いっぱいに溢れていたし、クドカンの笑い×涙 がとてもうまく化学反応を起こした良い作品だったと思う。このタッグ、他作品でもあるのかな。凄い組み合わせだ!と結構感動しちゃいました。

いろんな場面が印象的で、その断片が思い出みたいによみがえってくるので、この作品自体のような余韻をも感じられました。

蛇足ですが、たくさん撮ってるけどフィルムあと何枚残ってる?大丈夫?って気になっちゃうくらいにはフィルムで写真撮るのが趣味なため要らん心配したり、やっぱFM2のシャッター切る音最高とか思ったりした。
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