良かった。アナイス・ドゥムースティエが元気いっぱい、魅力を振り撒きながら嵐のように日常を過ごす姿をコミカルに描く前半から想像してなかった終盤の展開。「君の名前で僕を呼んで」を思い出す。
アナイスが演じるのはアナイス(!)。彼女は無計画で注意力散漫で子供のよう、どん詰まりな生活なのに明るく、なんとかなるさの精神の持ち主に見える。
ミニのワンピースでドタバタ走り、人に媚びず、気まぐれな彼女は鬱陶しくもあり魅力的でもあり。
ダニエルと行きずりのような関係になったと思えば、そのパートナーであるエミリーに憧れを超えた何かが芽生える。
思わぬ三角関係不倫関係になるかと思いきや。
終盤のアナイスとエミリーの会話が特に良い。
本能の赴くまま情熱にまかせて燃え上がる若さ、幸せで満たされたがこれはイリュージョンのようなものだと現実に戻ろうとする大人。
甘くてほろ苦いつかの間の恋とはこういうことなんだよね。この経験を経て精神的に大人になっていくんだろう。
アナイス・ドゥムースティエとヴァレリア・ブルーニ・テデスキというキャスティングも絶妙。