チェックメイト

恋するアナイスのチェックメイトのレビュー・感想・評価

恋するアナイス(2021年製作の映画)
3.0
映画批評月間~フランス映画の現在をめぐって~(渋谷ユーロスペース)の一作。
情熱的な文学少女の恋する一夏といった感じ。

アナイスは自由奔放で自分に正直だがかなり自分勝手。
相手が浮気とわかっていながら気安くベッドをともにする中年男の不実に嫌悪するが、自分の恋となると約束をすっぽかしても罪悪感なし。

文学少女あるあるなミーハーな恋心あれど作家相手に文学論を語る描写もなくどこか薄っぺらい。
つまりムサい作家オヤジのどこに愛着感じるかの機敏が感じられない(そんなものないのか)からセックスしか興味ないみたいで軽い。
アナイスの衝動的で感情豊かな溌剌さをうまく描いてはいる。そこは成功している。
けれどう~ん女優にか演技にか脚本にか今ひとつ憎めない可愛さが乏しく共感できず。

この特集は現在のフランス映画業界人のセレクションらしいがこの中の「フランス」にはある視点のような感覚があったがはっきり言って本作は期待したほどではなかった。
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