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恋するアナイスのfleurのレビュー・感想・評価

恋するアナイス(2021年製作の映画)
5.0
止まることなく動き進み続ける自由奔放なアナイスが眩しかった。長回しのシーンが多く、コレオグラフィーのように動きを役者につけていったと監督が話していた通り、踊るように動き走るアナイスはとても軽やか。やりたいこと、欲しいもの、すべて手に入れないと気が済まない。ぜんぶを叶えるために躊躇しない。なんとかなってしまうのは彼女の魅力なのかな。エミリーと出会って、なんとかしてエミリーに近づきたくて、惹かれて、恋をして。そして手に入れたら次へと進んでしまうのではないか?「今ある最高」を求めるアナイスだからこそエミリーはひと夏の思い出として終わらせたかったのだろうな。けれどもそれすら飛び越えてしまうアナイス。長回しでずっと動いていた画面が最後の2人の会話では切り返しになっていたのが印象に残った。 « Je ne suis pas d’accord. »最後の言葉を反芻する。アナイスは何に対してノーと言ったのだろう。ワンピースをぱっと一枚で着るのいいな。海で泳ぐ場面での水面のきらめき、アナイスが走り抜けるパリの街、日が沈みきらない美しいl’heure bleueに鮮やかな青と赤のドレスで庭で踊る場面、色の美しいシーンが散りばめられていて好きだった。
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