スベン

帰れない山のスベンのレビュー・感想・評価

帰れない山(2022年製作の映画)
4.3
とてもよかった。
ピエトロもブルーノも、その家族も時と共に変わっていく。それでも壮大で美しい山は変わらずに在る。
失ったものと得たものがあるからこそ、かけがえのない時間が眩しかった。
これからもピエトロは山を見る度に、登る度に思い出すんだろう。
ピエトロのナレーションで始まった物語は終盤になるにつれて、彼の独白としてかなり刺さってくる。
「帰れない山」という意味と原題の「le otto montagne」(8つの山)を思いながら、鑑賞後も焚き火のシーンでの二人の会話をずっと思い出してしまう。

山小屋を建てる途中で、鬱いでいたピエトロが次第に足取りが軽くなり頂上まで駆け上っていくいくシーンが好きだった。
呼びかけに答える二人は無邪気な少年時代を彷彿とさせる。ブルーノが「ベリオ」とピエトロを愛称で呼ぶのもいい。
公開初日に観て、とてもよくて。もう一度じっくり観たくて…(そしてルカ・マリネッリが観たくて…)二回目もやっぱりとてもよかった。

楽しみにしてたルカ・マリネッリ。
人生に迷っててももっさりな髭でもさっぱりしてても、やっぱりルカ・マリネッリだった。
久々に鋼鉄ジーグが観たくなったし(ヴィランっぷりがすごい)、まだ未視聴のマーティンエデンもぜひ観たい。
スベン

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