みむさん

パシフィクションのみむさんのレビュー・感想・評価

パシフィクション(2022年製作の映画)
3.0
東京国際映画祭にて。

フランス領ポリネシアのタヒチに来た高等弁務官が笑顔と愛想を浮かべながら仕事する姿を通して、静かに植民地制が見え隠れ。

核施設建設も臭わせてくるしもっと陰謀的な話になるかと思いきや、楽園に同化していく男の話に見えてきて、平坦にした「地獄の黙示録」みたいな印象受けた。

地元民に笑顔を振り撒き社交的、ボートに乗り海に繰り出す、だけど頭の中はどう信頼を勝ち取ってどうやって説得するかで一杯なんだろう。
楽園の心地よさと人々との交流の一方でフランス本体との板挟み。
そもそも彼はどうしたいのか、誰を信用しているのか、もしかしてすべてが幻や虚構か。

印象に残るのは海に繰り出す箇所とラストぐらい。
2時間ぐらいに出来そうな話を約2時間45分かけてびろびろに引き延ばして描いて、ずっと平坦で抑揚なく一つ一つのシーンが長々と続くので睡魔が襲う。いつになったらこの話は…と思ってるとトリップしたように終わる。

恰幅は良くなってもやはり美しいブノワ・マジメルが出てるからまあ見ていられたがとにかく長い。