原題 lo sto bene、英 I AM FINE
舞台はルクセンブルク、イタリアから移り住んだアントニオが、同じくイタリア出身のレオと出会うことで、過去を回顧していくストーリー。
現在と過去を行き来しつつ、物語が進む。
音楽や服など、それぞれの時代をよく反映しており、時間軸のどこにいるのかがわかりやすかった。
妻に先立たれ、仕事を退職し、家を売って老人ホームを考えている、アントニオ。
仕事も恋愛もうまくいかない若きレオ。
終活をするアントニオはレオに元妻アディに似た面を感じ、人生を振り返る。
希望を胸に故郷イタリアから出てきた日、父に綴る手紙、アディとの出会い、従兄弟の結婚式、故郷に戻った日…それぞれがドラマチックで、まるで本を1ページずつめくっていくようだった。
輝かしい過去というよりも、孤独や後悔などを整理していく感じでしんみり。
それぞれ、前向きに進むラスト。
欲を言えば、もう少しアントニオとレオの情緒的なやりとり(お互いがお互いでないといけない理由)があったらよかったかもしれない。