贖罪の旅はA面からB面へ…
「バッド・ジーニアス」でまさに“天才”ぶりを世に知らしめたバズ・プーンピリヤ監督の最新作。
NYでバーテンをするボスは、親友・ウードから白血病であることを打ち明けられ、死ぬ前に会いたい人たちがいるから着いてきてほしいと頼まれる。
かつてウードの父親が乗っていたBMWを走らせ、2人は旅に出る…
「バッド・ジーニアス」でもそうであったように、とにかく演出がうまい。
特に本作は回想シーンも多く、そこではフィルムで撮影されていてエモーショナルなシーンが非常に効果的に映されていた。
タイの街中のシーン、NYでのシーンそれぞれが行ったり来たりするので観ていてこんがらがる人もいると思うけど、非常に映画的で心地よかった。画づくりもうまい。
印象的に登場する名曲の数々も素晴らしい。
“whiplash”で幕をあけるオープニングはトリハダもの。音楽の全てがツボでした。
後半はA面からB面へ…
やりたいことは良かったんだけど、個人的には終盤にかけて話が散らかっていった印象。
序盤の再会の旅が置いてけぼりになっていた感もあったので、個人的には良いところで爆発力に欠けていたように思う。
「バッド・ジーニアス」の方が好きだったけど、音楽・画づくり・演出の良さに少し甘めに採点。
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