泣ける材料がそろっているのに、まったく泣けない作品。
一番の原因は、ストーリーをいじりすぎていて、ストレートに心に響くものが無い事だろう。
と言うか、テクニックに走りすぎていると言ってもいい。
脚本がまず「意外性」を出すために複雑になりすぎている。そしてその弊害として各キャラの行動に不自然さが多く、悪い意味での「劇場型」となっている。
父親のラジオ番組を真似ての遺言とかやりすぎ。
元カノの元を回るロードムービーが中心にあるのだが、最後のプリムの章がいじりすぎてしまい、「感動」を犠牲にしている。
それに監督も承知の上だとは思うが、元カノの所を回って、傷口を広げているだけなのもスッキリしない。
「シンプル・イズ・ベスト」とは言わないが、無理していじくりまわしたストーリーは、この手の作風には合わないと思う。
余談。
この感じ・・・・あ~・・・・なんだっけなぁ・・・
と悩んでいて、はたと気づいた。
キャラ弁だ!!!!
あの、食べてしまうのがおしいぐらい見事にキャラクターを描いたお弁当。
すごいよ。観るぶんにはね。
でも食べるとなると、そこまでこねくり回して、いじりまくったお弁当って、ちょっとひく。
お弁当としての一番大切な「美味しさ」を犠牲に、見た目を高めたキャラ弁。まさに今作はそんな作品だな。笑