Pam

我々の父親のPamのレビュー・感想・評価

我々の父親(2022年製作の映画)
3.7
キモい。。
あらすじや内容はこちらに書いてあるとおり。

このタイトルである Our Father とは、Notre Pere, つまりNotreDameノートルダム、の男性版であり、このような言葉は存在しない。つまり、この言葉はこの映画のための「固有名詞」であるということ。
そしてこのクリミナルの彼が敬虔なクリスチャンであることをこのドキュの見るものを惑わせる。

なぜこのタイトルが選ばれたかというと最初のシーンで診察室でわかる。診察室に十字架が見えるのだ。あとこの診察室のシーンで聖書の言葉が刺繍で見える。この演出にドキドキする。なにかある。こいつは変だ。医者のくせに宗教家??医者は科学者だろう?理系だったじゃん。

と、、最初の舐めるような診察室のカメラにとりあえず見る気になる。

ドキュメンタリーとしては良質な再現ドラマではあるが実際の映像も多い。

ドナーだと思われてた精子が結局この担当医だったのだということだけでキモい。やめてくれ。なんだが・・

とにかく彼のやったことが当時の法律では犯罪にならないという方が問題だと思った。DNAで自分の父親がこのキモ医師だとわかったきょうだいたちは静かな怒りを連帯へもっていく。そして、彼の子どもたちはみな病んでいる。心も体もだ。しかし彼は敬虔でほぼ狂信的なクリスチャンで若い頃に罪のない子供を殺していることも影響してるのだろう。そして事情として狭い街での出来事。

それがこの物語に深みを与える。大都市ではないのだ。

新技術を応用する時、やはりその倫理がとわれるのだなぁと、ありきたりではあるが、あまりにも早く進みすぎる科学についていけない人間の倫理の罠を見せつけられた気もする。

不妊治療、、幸いにも私はしなくてすんだけど、やっぱり人間は倫理が必要なのだ。もしかしたら宗教かもしれない。でもその判断をした当人が屈折した宗教者だったという現実の皮肉。

救われない。。
Pam

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