ペコリンゴ

ミセス・ハリス、パリへ行くのペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.8
記録
夢はいつだって、人生を輝かせる

『ポセイドン・アドベンチャー』の原作者としても知られるポール・ギャリコの『ハリスおばさん』シリーズ1作目を映像化したヒューマンドラマ。

1950年代のロンドン。
家政婦のハリス夫人は、戦争による夫の訃報を聞いて悲しみにくれますが、ある日働き先で出会ったクリスチャン・ディオールの美しいドレスに一目惚れ!彼女はどうにかお金を貯めて高額なドレスを買いにパリのディオール本店に向かうのですが…。

んー優しいお話〜。
これ二日酔いですするお味噌汁(シジミ)に匹敵する優しさじゃないでしょうか?

レスリー・マンヴィル扮するハリス夫人はとにかく前向きで一生懸命。青い瞳をキラキラ輝かせてドレスを見つめる様はまるで少女のようにチャーミング。

そんなハリス夫人に周りの人も協力してくれるんですが、そりゃもう優しい人ばかり。そりゃもうあり得ないくらい優しい世界。

でも分かりますよ。
何かにひたむきな人って応援したくなりますし、そんなハリス夫人の人柄に周りの人も影響されていく。素敵やん。素敵過ぎるやん。

ただそんな中でも、身分不相応だって事でハリス夫人の事を良く思わない本店マネージャー、マダム・コルベール(イザベル・ユペール)は良きスパイスになってまして、物語がお花畑になり過ぎてはいません。

まぁ本音を言えば、そんな上手くいくかよって思わなくもない物語。

だけど、ハリス夫人の言動は終始ほっこり。頬を弛まされっぱなしですし、関わる人々、ひいては組織の在り方まで変えてしまうパワフルさにはきっと元気をもらえることでしょう。

ちなみに、ドレスのデザインは『クルエラ』等でアカデミー衣装デザイン賞を3度受賞したジェニー・ビーヴァンです。

が、僕はドレスよりもそれを着てるナターシャ役のアルバ・バチスタに目を奪われてしまいました。彼女、クリス・エヴァンスとの交際が報じられてましたが、そらキャップも惚れるわなw