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ミセス・ハリス、パリへ行くのharu3uのレビュー・感想・評価

4.0
第2次世界大戦後のロンドン。
夫を戦争で亡くした家政婦ミセス・ハリスは、勤め先でDiorのドレスに魅せられ、資金を集めてパリへドレスを買いに行くこと決意する。

階級社会で透明人間のように扱われてきたハリス夫人が、その人柄と不屈の行動力で周囲を巻き込んでいく様は痛快です。
Diorを支えるお針子さんやモデルさんだって庶民なわけだから、夢に猪突猛進頑張るおばあちゃんを応援したくなっちゃうのは当然よね。

最初からハリス夫人の生き方は美しかったけれど、Diorのオートクチュ-ルドレスは彼女のエレガンスを更に際立たせます。
おとぎ話のように幸せな映画でした。

ちょっとググってみたらプレタポルテ(高級既成服)が主流になるのは映画の少しあとの1960年代。衰退が心配された老舗メゾンは、プレタボルテ・香水・アクセサリー等を展開して存続を図ったようです。
Diorとしても新たな顧客に目を向けなければと変革の兆しを感じていたところに、労働者&消費者代表のハリス夫人が乗り込んできたのね。
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