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ミセス・ハリス、パリへ行くのhototogisuのレビュー・感想・評価

4.3
原作未読 SNSでオススメされての鑑賞

ひとことでいうなら
「若造と小娘のためじゃない映画」
いや、若者にも楽しんでほしいけど。
ドレスとメゾンの美しさ気高さは言うまでもない

ミセスハリスがディオールのドレスに一目惚れしてからの入れ込み方がすごい!
地味に質素に分相応にいきてきた彼女が、突然目を覚ます
「私は透明人間じゃない!私は私の好きなものを手に入れる!」
今の推し活みたいなものか?

薔薇の侯爵とのすれ違いが笑えるほどにせつない
侯爵が求めたものと、ハリスが夢見たものは、全くのすれ違い
もちろん侯爵は悪くない。ハリスも自身の夢想が身勝手だってわかってる。
でも、これはあんまりじゃない!?

この時代の英国人は、おそらくフランス語をあまり話せないだろう
一方で、多くのフランス人は英語を話せるのだろう
大英帝国の名残はここにもある

ディオール氏の存在感の薄さを指摘する方もあるようですが、本作はこれでよいと思う。女性二人の関係性が大事。
メゾン支配人と、家政婦な客
傷痍軍人を看護する妻と、戦争未亡人
でも。どちらも社会的には透明人間とされている
ドレスを贈る女と着る女

10年後、また観たい作品です
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