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ミセス・ハリス、パリへ行くのkooのレビュー・感想・評価

3.8
1950年代のロンドンで家政婦として働く戦争未亡人のハリスが、奉公先の邸宅で出会ったDiorのドレスに心を奪われ、必死にお金を貯めて、Diorのドレスを買いにパリに行くというタイトル通りのお話です。
奇跡的なことが重なって全てが上手く進んでいくのですが、ご都合主義もここまでくるとハッピーな気持ちになれます。

オートクチュールの時代が終わりつつある中、ブランド感を重視していたDiorにとっては、これまで相手にしてきた富裕層の顧客とは違う価値観を持ったミセス・ハリスの行動が、もっとたくさんの女性たちに目を向けるきっかけとなり、周囲の人々の心を動かし、感動のラストに繋がります。

人生の好転も暗転もいつ訪れるかわからないけれど、何があっても気持ちを前向きにシフトすることは、自分のためでもあり周囲の人のためでもある。
歳を重ねるにつれて、何かにときめくことがあっても『私なんて...。』と、つい躊躇してしまうことが多くなった私ですが、ミセス・ハリスの姿に背中を押してもらえたような気がします。

"いくつになっても夢を持つことは、人生を輝かせる!"
そう思わせてくれる優しさに溢れた作品です。
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