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ミセス・ハリス、パリへ行くのbluebeanのレビュー・感想・評価

3.5
ミセスハリスが本当に美人だし可愛い。ドレスを着るのに年齢なんて関係ないってことをビジュアルで体現しています。個人的には、タレントの千秋にそっくりだな、と思いながら見てましたが。純粋で親切で、自分の過ちも素直に認められる潔さもあり、とても魅力的なキャラでした。そんな彼女が、見返りを求めない良い人、イコール「透明人間」のイメージから脱却していく様子も爽快です。

オートクチュール全盛の最後の時代のメゾンでのショーのシーンが最高でした。美しいモデルが着るディオールのドレスは、今見ても文句なくかっこいいです。それに加え、労働運動やサルトルなど、当時のパリの雰囲気を楽しめる時代描写が良かったです。

地道に働くことに対する肯定感を感じさせるところも良かったです。掃除人も、高級服の作り手も、自分の誇りを持って働いてる同士が共感する姿が感動です。ちょっとしたピンチや落胆を経つつも最終的に全てがうまくいくハッピーエンドが心に優しい映画でした。まさにウェルメイドです。

部屋の窓からモンマルトルを望むシーンは『麗しのサブリナ』へのオマージュでしょうか。そこにいるのがオードリーではなく、高齢の女性であるという対比がまた良いです。

でもなんと言っても、ディオールの服を纏ったアルバ・バチスタが美人すぎました。本作のテーマに反しますが、自分らしさを取り戻した彼女の姿よりもそっちが良いなと思ってしまったことに反省。
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