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銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀 第二章のFのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

見終わったあとの充実感がすごい。派手な戦闘はないけど、この「銀英見た〜」という感じ。見てて長いなとダレるわけでもないけど、短いなとアッサリ終わるわけでもない、見たぞ!っていう多幸感が溢れて終わった。
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この充実感がどこからくるんだろうと考えると、セリフというか会話の多さなのかなと思う。銀英で何が好きって、ヤン艦隊の皮肉の応酬や笑えるようで笑えないジョークとか、ヤンの「いいかいユリアン」なんですよね。今回はその「いいかいユリアン」をドバドバに浴びすぎて、最後気づいたら泣いていたという始末。
今回は大きくは同盟と帝国の力関係が明確にゆらいだ回であり、小さくはユリアンの巣立ちの回でもあった。そんな回でユリアンのムビチケで、ユリアンのフィルムを当てたのは神としかいいようがないですね!旧石黒版のくるくる髪のユリアンもとても好きだったんですが、ノイエのユリアンは全女子の憧れの王子様みたいなルックスなのにずっとかわいさもあって、石黒版よりはみんなからの可愛がられっぷり減ってないかな?とも思ったけど、今回で十分愛されてましたね。ヤンとユリアンが公園のベンチで話したり歩いたりしてるシーンは、本当に親子であり師弟でもあるのだなと、じんわりあったかくなるようなシーンでした。特筆すべきはやはりムライとのシーンかと思うけども、芳忠さんの温かみのある声と一緒にあれが語られるとなんともいえなく、ムライ好き…!!って気持ちが掻き立てられますね。
日常的といえば双璧の気の置けない仲っぷりを見せつけてくれるシーンや、急に色付きメガネをし始めるケッセルリンク、動揺してる顔ももはや可愛いシュナイダーとか怒りがマジっぽすぎて若干怖いポプランなんかも好きです。
とにかく今回はヤン艦隊の日常的シーンが多く、それが本当に好きなので終始ニコニコしながらの鑑賞と相成りました。
他の点に目を写してみると、今回の作画演出の面では、細かい人間の動きや表情、まあ特に動きが気になったかな。動き始めとかの予備動作?みたいなの描いてない?ちょっとオーバーにも見える演出だけど、それがアニメならではで好きなので、表情の豊かさと相まって嬉しくなったところでもある。
モルト中将は前回ラストからのご登場ですが、よく見ると上背もあって肩幅もしっかりしてて、若い時はさぞ見栄えのするいい軍人だっただろうなあというのが偲ばれて、余計に切なくなった。きっとずっと真面目に職務に励んできて、自分の仕事に誇りもあった人なのだろうと、なんとなく佇まいから感じてしまって、リュッケの表情に引っ張られて泣いていました。
「腐敗した民主政治」と「清潔な独裁政治」の天秤は、現代の情勢もフラッシュバックされながら干渉せざるを得ないシーンでしょう。民主が浅慮だとは思わないけれど、あの街の人々のようすはすなわち今の私たちとなんら変わることがなく、特に電車で隣の男性に嫌悪感を馴染ませる女性なんかみさせられると、ずっとずーーーっと未来の話っていうことなのに、人間って何も変わらないし変われないものなのかもしれない、というあるのかわからないメッセージを受け取りそうになってしまう。案外ヤンも人間と酒の話をしてたし、文明は滅びていけども変わらぬ愛を人間から注がれ続ける酒ってやつは、人間の「変われない」部分の象徴なのかもっていうのは、深読みのしすぎでしょう。
この温泉入って満足満足みたいなところに強炭酸を一気飲みさせてくるようなのが3章の予告。あー来てしまったって気持ちもあるし、キタキタキタァ!!って気持ちもあるしで忙しい。とにかくはまず原作を先に読み込んでおきたいところです。
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