このレビューはネタバレを含みます
本当に素晴らしかった。春眠をむさぼるイゼルローン、激情のポプランと正論のコーネフ、ユリアンの旅立ち。私は帝国派だが、今回は前述の同盟エピソードが特に気に入った。ところで「独裁者」という名のカクテル、以前イゼルローンフォートレスにありましたね。
「腐敗した民主主義と清潔な独裁政治のいずれかを取るか」というテーマが、非常に知的ながらも受け入れやすいかたちで表現されているのが素晴らしい(これを退屈と感じる人とは距離を置きたい)。会話劇だけでここまで物語に没入させることができるのは、とてつもないことだと思う。
また、一歩間違えると「過去や現在を通して存在した、どこかの国の誰か」に対する批判じみてしまいがちなところを、絶妙な加減で描いてくれている。バランス感覚がとてもいい。
そして推しを賛美せぬことには終われないのだが、今回もロイエンタール閣下が非常に素晴らしかった。予告に至っては感涙するしかない。３章のムビチケ買い足した。
