シネマスカイウォーカー

デアデビル ディレクターズ・カット版のシネマスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.6
MARVELコミックス原作の人気キャラクターデアデビルをベン・アフレックで実写化した『デアデビル』(2003)のディレクターズカット版。”オリジナル版”と比較して30分の追加シーンと1部シーンがカットされたバージョン。

本編のほとんどが戦闘シーンとなりスピーディーか展開の”オリジナル版”と違い、人物の背景や関係、なぜそう至ったのかなど話の展開に脈絡が付いたことで分かりやすくはなっている。
2000年代初期のアメコミ映画のストーリーはあってないようなものが多いため、ぶっちゃけストーリーが無い”オリジナル版”も問題は無いが、個人的にはしっかり説明される”ディレクターズカット版”の方が好み。

MARVELコミックス原作の人気キャラクターデアデビルをベン・アフレックで実写化。
サム・ライミ監督の『スパイダーマン』を皮切りに2000年代はMARVELコミックス原作映画が徐々に数を増やしていく。その流れで作られた今作は00年代初期にありがちなVFXを多用した画作りがなされている。そんなVFXデアデビルの空中での動きに『キャットウーマン』的な影を見出してしまったのは少し残念(笑)

実は遅ばせながらいわゆる”オリジナル版”を見たのは今回が初めてで、『デアデビル ディレクターズカット版』を先に見た身からすると話の内容が希薄で戦闘シーンにほぼ全振りしている印象。展開も早く常に戦闘シーンが展開されていくため、ジェットコースタームービー要素は”オリジナル版”の方が強くなっている。
そもそもヒーロー映画だからストーリーなんてあってないようなものでも成立するものだが、ディレクターズカット版や『スパイダーマン』と比べると少し物足りない印象。デアデビルというキャラクターをおさえる上では今作で十分だろう。

闇夜の中で悪事をはたらく者に正義の鉄槌を与えるデアデビルはMARVEL版バットマンと言っても良いだろう。そんなデアデビルを後のバットマンであるベン・アフレックが演じるとはなんとも面白い。
オープニングの感じもどことなく『スパイダーマン』ぽい。

ここ10年映画の覇権を握っていると言っても過言ではないMARVELシリーズだが、この頃から今現在でも見られる要素が垣間見えている。スタン・リーのカメオ出演はもちろんのこと、後に『アイアンマン』を監督し自身もハッピーホーガン役で活躍するジョン・ファブローもネルソンフォギー役として登場している。
お馴染みのポストクレジットがあったり、「雷神」の言及がされたりとなかなか今みるとクスっとしてしまう。クレジットを見るとケヴィン・ファイギも制作に関わっておりMARVEL映画の下済み時代を感じさせてくれた。

世間的な評価は低い今作だが、『ダークナイト』より先にナイトビジョン(レーダーセンス)を映像化したんだぞ!とは強く言っておきたい。

登場キャラクター
・デアデビル(マットマードック)
・フォギー・ネルソン
・エレクトラ
・ブルズアイ
・キングピン(ウィルソン・フィスク)