あき

ナワリヌイのあきのレビュー・感想・評価

ナワリヌイ(2022年製作の映画)
5.0
タイトルのとおり、ロシアの政治活動家のドキュメンタリー。

字の上では“女々しい“と書くけれど、
些末なことをいつまでも許せず執着して周りが見えなくなってトラブルを起こすのは、たいてい“男“だ。
その行動のベースにあるのは“嫉妬心“や“執着心“と異常なまでの“承認欲求“で、それが強い男は“めんどくさい“から、周りは関わりたくなくてだんだん相手にしなくなる。
そして相手にされないことで明確に否定されることがないからどんどん行動をエスカレートさせていく。
それを国家レベルで引き起こしているのが、かの国のトップの“男“だ。
ナワリヌイはラストに“悪人が勝つのは、ひとえに善人がなにもしないからだ“と言う。
“キック・アス“(2010)でも、“ギャングは実在するのに、ヒーローはなぜ存在しない?“と問う。
「二番目の悪者」(林木林,2014)でも、声だけ大きい面倒な者に対峙するのを諦めた結果、その国の王となって最終的に国を滅ぼしたことに市民たちは“自分たちはなにも悪いことしてないのに“と嘆くが、独裁者を“一番悪い者“とするなら、それを見て見ぬふりした市民こそが“二番目の悪者“だと説く。
変質的な男ほど、愚かでめんどくさい存在はいない。
だが、悲しいことに、“馬鹿は死ななきゃ治らない“のだ。
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