まずこの映画がドキュメンタリーだという事実に驚く。
ロシアの反体制リーダーナワリヌイが、国内で毒殺。ベルリンに運ばれてノブチョクが原因と判明。一命を得たナワリヌイ自身がネットを駆使して犯行グループに接触。ロシア絡みの犯行が濃厚となりネットで拡散しプーチンの見苦しい言い訳。
サクサクと進む進行具合が面白い反面、物凄く恐ろしい。
ナワリヌイ自身が投獄先で死んだ(殺された)事実がある今、「悪人たちがのさばるのは善人たちが何もしないからだ」というメッセージを言った後にクシャっと笑うナワリヌイが余りに悲しい。そしてある日父が殺されることを思って涙するナワリヌイの娘さんのことを思うと胸が張り裂けそうだ。
日本は毒殺こそされないが、無関心というもっと重症な病気で悪人たちがのさばっている。
ナワリヌイの先述したメッセージはこの国でも充分有効な言葉だ。
