イライライジャ

ピザ 死霊館へのデリバリーのイライライジャのレビュー・感想・評価

3.4
“タミル・ニューウェーブ”と謳われた鬼才カールティク・スッバラージ監督の長編デビュー作。この映画を劇場で観ることを長年心から願っていた。
私はホラー映画を人より多く観てきた人生なので厳しい目で観たけどそれでも秀逸な出来。2012年にしてインドで世界に引けを取らない脚本と恐怖を煽るカメラワーク。徐々に狂う心理描写がVSPもカルナー・カランも上手い。デビュー作でこのクオリティ、やっぱスッバラージ監督は本物だわ。
ある仕掛けがあるのだが、その部分は個人的は蛇足だった。恐らく監督は唯一無二の映画が撮りたかったのだろう。その証拠に次作『ジガルタンダ』という唯一無二のド傑作を生み出してるわけだ。

全体的に優れた映画ではあるが、世界基準の良作ホラー映画と並べると凡作かな。やっぱりエログロへの制限は描写に限界があるよなあと。ただそんなものに頼らず視覚や聴覚で恐怖に陥れる手腕がこの監督にはある。