"殺しのイロハ"
ヒューマントラストシネマ渋谷の会員カード更新特典としてもらった「映画1本1,100円観賞券」があったのと、ここ最近では珍しく仕事を早く終えられたのでひさびさのレイトショーへ。
特にこれといった観たい作品があったわけではなく、時間が合うのが本作しかなかったのと昨年公開され話題となった『べいびーわるきゅーれ』を手がけた阪元裕吾監督作品という理由から本作をチョイス。
「殺し屋を目指す6人の少女が主人公」という情報以外まったく入れずに鑑賞。
✏️スピンオフ
鑑賞後に本作のWikipediaを見てから知ったのだが、本作は2021年公開『最強殺し屋伝説国岡[完全版]』という映画のスピンオフ作品であるらしい…
当然前作があることは知らなかったので、これはやっちまった。
とはいえ、前作を観ていなくてもそれなりに楽しめる作風、そして『べいびーわるきゅーれ』でも阪元監督が魅せてくれた”日本製アクション”はやはり出色の出来。
物語の大筋は、社会からあぶれかけている「はみだし者」のうら若き乙女たちが殺し屋になることを志願。
そんな乙女たちを育成すべく、現役バリバリ・スゴ腕の殺し屋である国岡昌幸たちが2泊3日の殺し屋合宿を敢行するが…というもの。
やはりこの阪本監督、いわゆる「ふつうの人」が言いそうなセリフ回しや言葉遣いのチョイスが巧み。
スゴ腕だがどこかアンニュイな感じの国岡と、パッと見”社会不適合者”な彼女たちの会話劇もアクションに負けず劣らず楽しい。
『べいびーわるきゅーれ』の主人公・ちさととまひろも、もしかしたらこんな合宿みたいなイベントを経てプロの殺し屋になったのかもしれないな…などという妄想もはかどる。
✏️国岡昌幸
スゴ腕殺し屋・国岡昌幸を演じた伊能昌幸さん。
彼の存在は本作で初めて知ったのだが、彼の持つどこか気だるげで、でもやる時はやる、といった演技のスタイルは心惹かれるものがあった。
アクションも素晴らしく、特に相手に向かって拳の連打を放つシーン。
あれ、CGとかじゃないんだよな…?
自分が愛読していた『銀魂』の主人公・坂田銀時が持つ人間性に近い魅力があって、ぜひ前作のみならず彼の出演する作品は追いかけてみたいと思った。
✏️荒削り
しかし手放しで褒められるか、というと個人的には疑問符。
アクションも会話劇も楽しく他のメジャー級の邦画には無い魅力があるのは確かなのだが、肝心のストーリーに若干の雑さが目立つ。
物語終盤、殺し屋を目指す乙女たちはまるで別人のように覚醒。
自分たちの”先輩”にあたる野良の殺し屋たちをバッタバッタとなぎ倒していく様は爽快っちゃ爽快だが、
「急にそんな強くなるか…?」
と我に返ってしまう瞬間があったことは否めない。
物語のほとんどのシーンは良くも悪くもゆる~~っとした雰囲気なので、かつナンセンスな展開も多く人によって合う合わないは大きく分かれそう。
また、大変に人命を軽視するセリフやシーンも多いので、鑑賞には十分な注意を要する。
…まあ、そういった演出に不快感を覚える人はこの作品を観ようとは思わないだろうけど。
☑️まとめ
阪元監督作品、という期待の裏返しかもしれないけど、『べいびーわるきゅーれ』の完成度を超えるには至らないということでこの点数。
だがしかし、前述の伊能昌幸さんや、殺し屋を目指す6人の若き乙女たちの活躍はこれからも見守っていきたい。
2022年も早いものであと4か月…
本作鑑賞で、ちょうど2022年の100本目となった。
昨年より鑑賞ペースがだいぶ落ちているけど、まあゆるりとやっていきましょう。
🎬2022年鑑賞数:100(41)
※カッコ内は劇場鑑賞数