追い詰められていく横浜流星の演技は凄みがあって、
どんどん胸が苦しくなってくる。
舞台となるゴミ収集場がある村では、不法投棄が黙認されていてずっと不穏な空気が漂う。
主人公は、父の汚点で村八分に逢い母親はギャンブル狂い。
本人の言われのないことで八方塞がり。
悲惨で見ていられない。
閉塞感のある場所で、
どうにか取り繕ってやっとの思いで足掻いても、
這い上がれずズルズル落ちていく。
その状況を村伝統の能楽がトーンを鎮めて無常感を引き立てる。
ラストに向け破滅的な展開が続き、
見終わった後も空虚な思いが鉛のようにずしんと留まり続けた。
置かれた場所では咲けない内容で辛かったが、
周りの女の子が、「どういう顔?」「かっこいい」と呟いていて、
ツッコミどころのあるファンムービーとしても成立していたようだった。
「あんたゴミだな」