トールキン

ヴィレッジのトールキンのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
4.0
もの凄いものを見てしまったな、というのが率直な感想。想像以上に胸くそな内容で始まった瞬間から即座に見入ってしまい終わるまで目が離せなく2時間があっという間でした。そして見終わった後の没入感がハンパない。やり切れない、どうしようもない、救いようのない複雑な気持ちでいっぱいでした。個人的には胸くそ映画、鬱映画は割と好きなのでとにかくもうお腹いっぱい過ぎて高評価です。

そして、登場人物全員がもうヤバすぎる。主演の横浜流星さんの演技がとにかく凄まじかった。この人本当に横浜流星⁉︎って思うくらいの役どころと芝居で圧巻でした。他のキャストも皆表向きは平静を装ってるけど裏では闇を抱えてる描写が見ていて辛い。透役の一ノ瀬ワタルさんが完全に悪役に徹していて見ていてめちゃくちゃイライラするけどそれくらい役にハマっていた。この作品の陰湿さ、闇深さを盛り立てるに欠かせない人物だった。

都会から隔離された閉鎖的な環境。そんな絶望しか無い、まるで呪われたかのような村でよく住めるなって思うし、でも出て行きたくても出て行けない、嫌でもこの村で生きなければならない、そうさせてしまっている負の連鎖に闇を感じずにはいられない。
裏の世界、裏の顔というものは想像も出来ないしバレなきゃ何しても構わないという考え自体が恐ろしい。現実でもそんなことが裏でたくさんあって色々裏工作したりしてるんだろうなって嫌でも思ってしまう。

闇があってその先に光があってさらにその先には・・作中に出てくる「一炊の夢」というワードが正にその通りだ。
もの凄い嫌な気分になること間違いなしだけどこの手の作品好みの方は是非オススメしたい。
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