このレビューはネタバレを含みます
日本の村社会の閉鎖性がとても良く描かれていますね。
Uターンの若者(と言っても40台)は訳あり。
過疎でお金がない村は産廃や原発を受け入れるかダムの底に沈むかするしかないのでしょうか。
もう逃げ帰る場所もない…。
命や自然を代償にお金や経済を得る。
田舎と言えば美しい自然と素朴な人々というのは最早幻想で、情報は都会と遜色ないその有様は閉ざされた社会では尚更始末に悪い。
そんな住みにくい田舎の様子がよく分かります。
つまり、過去を隠して生きる事は出来ず、それは虚飾に満ちたものであっても、真実は正しく無く、事実のみが優先される虚無感が作品全般に流れています。
悪人を成敗する事も正義では無く、弱いものは虐められ虐げられ、私慾は村のためという大義に彩られ破滅に向かう。
後味の悪い現実を見せられた気がしました。