かとぅーらす

ヴィレッジのかとぅーらすのレビュー・感想・評価

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.0
脚本がクソいのが残念だった。
不自然なキャラや不自然な言動、不自然なきっかけが目につき過ぎる。ストーリーありきでキャラをアホにしたり世界観を壊すのはいただけない。本作では後者は特に致命的じゃねーの? ムラ社会を通して人間を描こうとしたんじゃないの?
変にスタイリッシュぶって英語タイトルにしたのも気に食わないな。ヴィレッジとムラだとだいぶ含有される意味が違うでしょ。
というわけで、村八分ってなーに? ってな作品なんだけど、全然昔の話ってわけじゃないから(こういう歴史を通過して今に至ってるということは、民族的DNAとして刻まれてて、文化として継承されていて、価値観として判断基準として刷り込まれてわけだからね)、日本人としては思うところ感じるところはそれぞれ多少なりあるんじゃないかな、テーマ的には。ほんと陰湿文化だよねー。私も極めて陰湿な人間だから全然他人事じゃなく当事者で加害者だけど悪いことだと思わないもん。むしろ二分(葬式と火事)は残してるぶん優しいんだけどね(疫病の発生や延焼を防ぐ実際的な目的があるとは言え)。アメリカ人なんか積極的に殺しに来るし焼きに来るっしょ(わかりやすくてポジティブで良いともとれるけど)。
役者は悪くなかった。
昭和の女・黒木華はこういうひなびた田舎がハマる。
一ノ瀬ワタル、なかなか悪くないんだよな。相撲が当たったのも納得がいく。
チョイ役の頭パーの金髪の若造が上手いなーと思って見てたら奥平大兼くんか! なるほど! 今後も少し応援してるよ!
獅童に能をやらせるのはずるい!
横浜流星…好きじゃないんだけどがんばる人なんだよなーってのが本作でもありありと見える。でもなー…こういう役ってがんばってる感がうすら匂っちゃうだけで破綻するんだよな。異常者や異端者って普通に異常で異端だから無理せずに異常で異端なんだよね。だから彼にはこういう役をやらせなきゃいいのになって。インフォーマのチンピラ役は良かったし、似合う役をやればなかなかいい役者なんだから、もったいない。好きじゃないけど嫌いでもない。
というわけで、私はそんなに好きじゃないけどそれなりに楽しめる作品ではある。