くさむすび

ヴィレッジのくさむすびのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

途中までは"屈折しながらも生き続ける横浜流星と、それを支える黒木華。その関係に嫉妬する一ノ瀬ワタル"みたいなシンプルな構図が続くので、社会問題を描く作品かと期待していた自分には少し期待外れな面があった。だからと言ってドラマとして考えても微妙で、片山優の幼少期やゴミの仕分け作業をさせられるに至るまでを詳しく描かないから、無口だった彼が垢抜けてどう変わったのかがよく分からない。横浜流星の演技力に頼った脚本のように見えて仕方なかった。優のことを煙たがっていた村人たちの行動の変化みたいなものも個人的には欲しかった。彼の父親も村八分でいじめられていたという話が再三出てくるのに、ここ省くあたり同調圧力の醜さや恐ろしさを描こうとしてはいないんだろうなというのが伺える。だから結局、何を描こうとしたい作品なのかが見えてこない。
見てればなんとなく察しがつくようにはなっている、透を殺した事実も後出しジャンケンのように開示するのも好みには合わず。透が暴れる所の荒々しい撮影はめっちゃ好きだった。
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