アル華

ダークグラスのアル華のレビュー・感想・評価

ダークグラス(2021年製作の映画)
4.0
【アルジェント印の帰還】
盲目のヒロインがサイコキラー殺人鬼に脅かされる"見えない恐怖"を描いた本作。

アルジェントさんの集大成、いいやん!…
本作の魅力は〈視点の変化〉と〈訴えかけてくる高揚感〉の2つだと個人的に思っています。

〈視点の変化〉
アルジェント監督作品では以前に”盲目の人物が襲われる”テーマを『わたしは目撃者』(1970)でも描いています。←U-NEXTで見れます👀
ただ、本作『ダークグラス』のほうが、より主人公目線で目が見えない恐怖や苦難、そこから芽生える信頼や救済の物語に仕上がっており、アルジェント監督が描く視点の変化と、観客への恐怖のシェア度合いが上がっている印象でした。

冒頭のワンシーンが意味する恐怖、終盤で主人公らが展開する「どこに行ってしまうか分からない」恐怖が特に、主人公の体験をシェアしている感覚を得られる、素晴らしいカメラワークや主人公の心情を魅せた視点だと思えました!


〈訴えかけてくる高揚感〉
パンフレット内のインタビュー記事で監督は
「私は、音楽は俳優の演技に匹敵する主人公」と語っています。

本作の音楽を担当したのは、アルノー・ルポチーニ。
『BPM ビート・パー・ミニット』の音楽も担当された方のよう…

代表作『サスペリア』や『サスペリアPART2』でも象徴的だった殺害シーンに流れる激しいロックを引き継ぎ、よりモダン的なゴブリンを目指したというように、映画館を"見えない恐怖"の鼓動で支配するかのような素晴らしすぎる音楽でした!

バンに追われるチェイスシーンで流れる音楽は、映画館でしか味わえないもので、
主人公が”恐怖に近づき、鼓動が高まる”
観客は”アガる”。
双方を演出(シェア)する最高な体験!
是非音響が椅子に伝わりやすい映画館で!!
(お台場アクアシティのみに設置されている音響体感専用のFLEXOUNDシートはガチおすすめ!!)

もう一度鑑賞必ずしますし、こればかりはBlu-rayも購入しなくては!
少しでも参考になれば幸いです☺️
アル華

アル華