湯呑

ダークグラスの湯呑のレビュー・感想・評価

ダークグラス(2021年製作の映画)
4.5
いやあ、これだよこれ!確かに全盛期と比べればユルい出来なのは間違いないが、無駄を削ぎ落とした省エネ的な語り口と、「サングラス」「赤」「首を絞める紐」「犬」といったモチーフの反復で描かれるのはアルジェント的としか言いようのない、殺伐としてどこかユーモラスな世界だ。今回は特に、過去作ではあまり見る事のなかったハートウォーミングな空気も感じられ、更に円熟したアルジェント節で楽しませてくれる。冒頭の皆既日食のシーンが主人公にサングラスを掛けさせる、という意味しかないところなど本当に感心した。こういう図々しさが今の映画に決定的に欠けているところなのだ。
湯呑

湯呑