クリーム

ダークグラスのクリームのレビュー・感想・評価

ダークグラス(2021年製作の映画)
3.5
映像や雰囲気にダリオ·アルジェント監督らしさは感じるものの消化不良な作品。盲目設定のスリルがイマイチ感じられず、ハラハラドキドキが薄かったです。見せ場は、最初の被害者とワンコくらい。私的にはちょっと残念な感じでした。

ディアナは、娼婦ばかりを狙う連続殺人犯に追われ、事故を起こして視力を失ってしまいました。同じその事故で両親を失い孤児になった少年チンを助け、相談員のリータの助力で生活を立て直していきますが、再び殺人犯が近づいて来るのでした。



ネタバレ↓



前半、視力を失い絶望し、リータに助けられ、盲導犬との絆で生活を立て直し、チンを匿う過程が描かれますが長くて退屈でした。
後半も夜の森の中での犯人との追いかけっこもリアリティがなくて、長いしダラダラ。見晴らしの良い場所で、追われてるのにギャーギャー騒いだり、盲目なのに無用心に水の中に入り蛇に襲われたり、なのに犯人は現れず。都合が良いんですよね。
本来なら、盲目でコブツキで、圧倒的に不利でハラハラドキドキが待っているハズなのに気配がなくて…。
そして、わざわざ犯人のアジトに入り込む。ここから、少しだけ良かったけど…。それは、盲導犬。この子がいなかったら、最悪でした。
ブリーダーの犯人に少し懐いているワンコ。だが、ディアナの飛びかかれの合図に首に噛みつき首の肉を噛み切り、苦しむ犯人の横でその肉をムシャムシャ食べます。このお利口なワンコのお陰で、ディアナとチンも映画自体も救われると言うお話でした。

1人目の針金で喉を切り裂き、血だらけと言う派手な殺しと、凶暴な盲導犬が見せ場。他は間延び感が否めなかったです。そして、犯人の動機もディアナの客として、来た時に「臭い」と馬鹿にされたからって…。その理由で執拗に迫られても何だかピンと来なかったです。ただ、雰囲気や映像は、ダリオ·アルジェント監督らしさは感じられました。確かに80歳過ぎて、こう言う作品を製作するのは凄いけど、アルジェントvalueがなければ観なかったと思います。
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