せの

ダークグラスのせののネタバレレビュー・内容・結末

ダークグラス(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

10年ぶりのアルジェント、公開時期は観に行けず、ようやくの鑑賞。
アルジェントのらしさは薄く、物足りなさも古臭さも大いに感じてしまったけど、あぁアルジェントって監督はこういう感じだった、そうだったと懐古するのには良い作品だと思います
この機会に改めて「サスペリア」を鑑賞し、その素晴らしい美しさと画のキマり具合にクラクラさせられたので、やはり当時のような鋭利なジャッロ感とか、美女と血飛沫の織り成す芸術的なスラッシャー描写は損なわれていると感じてしまいますね
オープニングの皆既日食は素晴らしく、目で見える事の価値を大いに強調し、その後のディアナの不幸への前振りが効いています
しかしそこにチンとのハートウォーミングな愛情が入り込み、作品全体の残忍さも弱まったうえ、肝心の盲目設定を最後のオチでどう生かすのかと思えば盲導犬が犯人を噛みちぎって殺すという…これなら飼い犬でもよかったし、盲目じゃなくても…と思ってしまいました
目が見えないことで生まれる特別な恐怖を期待したら、あまりに普遍的なサスペンス・ホラーで同時代の同ジャンルと比較してもあまりに捻りがなさすぎます

とはいえさすがは巨匠。つまらないシーンはなく、飽きる事なく観続けられました!
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