しゅん

東京の宿のしゅんのレビュー・感想・評価

東京の宿(1935年製作の映画)
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『東京物語』『東京暮色』で描かれる状況のヘヴィーさと本作を重ねると、小津における「東京」は深刻さの符牒だと気づく。

同じ向きに座る子供たち、荷物をほったらかしにして後ろに気持ちを引きずられながら前に進む移動撮影、不吉を予感させる荷物のアップ(事実、荷物は盗まれる)。今から観ると、小津の固有性が強調された作品に思える。繰り返し映される煙突のある建物と、放置されている土管のような丸い物体。工業化する世界と、役立つの物質は、小津における一つのテーマを形成してる感がある。
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