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東京の宿のmのレビュー・感想・評価

東京の宿(1935年製作の映画)
3.5

なんだかすごい惨めな気持ちになった。

お金って大事ですね……悲しい……って始終そんな感じだった

いつもセットが豪華な小津が、こんな少人数の衣装ボロボロの小道具は帽子一つ(しかも子供俳優がそれを大事に大事に持ってる様も悲しい)で、貧乏を語るとほんとになんだか惨めだった。

貧乏学生の役とかでも、いつも衣装って立派だし、出てくる小道具も美術も全部高そう。映画自体はちゃんとお金があって、貧乏を語るっていうのと、ほんとうに映画自体も貧乏なセット(ほぼロケだけど)で貧乏語られると、俳優のたたずまいの惨めさが増してやばい。
そしてガリガリの子供が道の上で小津構図に嵌められてる様も惨め。

惨めな悲しみを味わう作品だった。
そして魂は一つ救われたと言うが、あなた(主人公)の魂は、あなたの子供の二つの魂はどうなるのですかと、
そんな残酷すぎる綺麗事でほっこりはできないし結局お金が何事も大事だよなと痛感させられた。
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