世界がコロナ禍に陥る少し前、香港の民主化運動が連日ニュースを賑わせていた。
子供の頃から香港映画が大好きだったけど、ここ10年くらいでどんどん中共の影響が大きくなっていたのを感じていた。
ましてや香港映画だけでなく、ハリウッド映画にすらチャイナマネー旋風が吹き荒れていたのが嫌な感じだった。
だからこそ香港の民主化運動は気になって毎日のようにニュースやTwitterをチェックしていた。
しかし香港政府ならびに中共の苛烈な弾圧、力による押さえ付けが完遂し、香港の民主主義は潰えたかに見えた。
しかし映画界では「時代革命」「理大囲城」などの優れたドキュメンタリーが登場(残念ながら観逃したけど😭)。
そしてドキュメンタリーでは捉えきれない若者たちの行動や心情などを劇映画としてすくい上げたのがこの作品。
香港市民の声を聞き届けない政府に対して、抗議のための自殺が相次いだという。
デモに参加していたYYという少女が自殺をするかもしれない。
それを察知したナムをはじめとする若者たちはYYを捜索するため、香港の街を駆け回る。
一口に民主化運動と言っても、参加者たちの思いは人それぞれだし、参加の形も違う。
映画でも、穏健派、勇武派、後方支援、ドライバーや偵察など色々出てくる。
逆に香港市民の中にも、中国化に賛成派もいれば、とりあえず金さえ稼げれば何でもいい派、香港に見切りをつけて出国する人など色々。
それでも現地で闘うことを決意した人もいるし、何らかの事情で動けない人もいる。
ただ、本来なら青春を謳歌していたであろう少年・少女たちが命をかけてまで権力に立ち向かわなければいけないのが不憫すぎる。
特にオープニングでの若者らしい楽しげな様子があっただけに、余計にそう感じさせられた。
しかしクライマックスでYYの友人の言葉や、ラストシーンに少しだけ希望が見えた。
表面上は押さえつけられたけれど、香港市民の中には未だ民主主義の炎が燻っているかもしれない。
悩み、葛藤し、無力さや挫折を味わった少年少女たちが、いつの日か本当の民主化を実現して欲しいと願う。
アフタートークでは、コロナ禍や内容が内容なだけに資金が集まらず苦労した様子。
なので2人の監督が出演していたり、明らかに撮影に苦労しただろうなという部分が垣間見える。
アフタートークの質問では時間の関係上1人しか質問出来ず。
その質問者の方は中国語を話していたけど、観客の半分以上は中国人や香港人だったみたい。
UFOキャッチャーのぬいぐるみはポケモンやら何やら日本のゲームやアニメ、吉野家やセーラームーンなど日本のコンテンツが多数出てくる。
それはあえてなのかを質問してみたかった。