りょうすけ

ウエスト・サイド物語のりょうすけのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.5
「ウエストサイド物語」

本作は1961年制作のミュージカル映画。元ジャニーズの飯野おさみさん(日本公演初代リフ)が劇団四季に入った理由が本作だったと昨年TVのインタビューで語っていたので、この世代のミュージカル俳優に大きな影響を与えたことは確実だろう。昨日公開されたリメイク版を監督したスピルバーグも同じ時代に鑑賞し影響を受けたのだろうが、全くもって理解できないリメイク版だった。そこで自宅で改めてオリジナルを鑑賞してみたらこれはもう最高の一言だった。これこそミュージカル、ミュージカル好きの僕でも納得できる最高の映画。それがこの「ウエストサイド物語」だった。正直演出によって同じ作品がここまで変わる様を僕は初めて観た。スピルバーグ版はあくまでも新しい「ウエストサイド物語」と言う感じがする。というのもこちらではあまり触れられていないプエルトリカンの心情描写がしっかり描かれているのだ。「イン・ザ・ハイツ」もNYCに住むプエルトリカンを描いたミュージカルで、アメリカで迫害されている彼らを描いているが、「ウエストサイド物語」では描ききれなかった部分、及び現代の彼らを描いていた。そしてリメイク版ではそれと同じようにオリジナルよりも濃く描こうとしていたが、これが功を奏した部分とそうではない部分とがはっきりしてしまっているような気もした。兎にも角にも僕が大好きな「ウエストサイド」はスピルバーグ版には感じられなかった。演出はすごくよかったのだが、『それ「イン・ザ・ハイツ」でやったじゃん』という気持ちが強まるばかりだった。最終的にリメイク版は最後まで観るのが苦痛の映画になってしまったが、それはこの偉大なオリジナルにもあると思う。こちらが非の打ち所がないほど素晴らしいのだ。所詮スピルバーグ版は贋作。故スティーブン・ソンドハイムがリメイク版を気に入っていたと言う話を聞いたのでもうそれでいいことにする。あくまでもこちらが正史ということにしてこれ以上議論するのはやめようと思う。これから観る人は絶対にオリジナルを観てからリメイク版を鑑賞してほしい。

【ストーリー】★★★★★
【音楽】★★★★★(音楽は一緒なのに向こうには何の感動も感じなかったのが不思議)
【演技】★★★★☆
【テンポ】★★★★☆
【エンタメ性】★★★★☆
【感動】★★★★☆
【アクション】☆☆☆☆☆
【ホラー】☆☆☆☆☆
【恋愛】★★★★☆
【コメディ】★★★☆☆
【サスペンス】☆☆☆☆☆
【エロ】☆☆☆☆☆
【グロ】☆☆☆☆☆
【指定】G
りょうすけ

りょうすけ