バンバンビガロ

ウエスト・サイド物語のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)
4.2
言わずと知れたミュージカル映画の金字塔であり、一般的にロバート・ワイズ監督の代表作と目される作品。
昨年公開されたスピルバーグ版の方を先に見ており、そちらが超絶技巧的な撮影による素晴らしい傑作だったので、流石に見劣りするかもしれないと思っていたが全然そんなことはなかった。
『世界の映画作家15 デヴィッド・リーン ロバート・ワイズ』という本の中で佐藤忠男がロバート・ワイズについて編集出身の監督という観点から分析していて、編集出身の監督は最初の数ショットの情景のたたみこみかたで観客の興味を引くことができるタイプが多いというようなことが述べられていたが、この映画はまさにその好例でタイトルバックからのウエストサイドの都市を空撮でとらえた一連のシーンの時点で大作然とした雰囲気があって、ジェット団、シャーク団がストリートで縄張り争いをする所でもう面白いと感じられるつくりになっている。
また舞台では正面から捉えられることを前提としたダンスシーンを多角的に見せるリズムもワイズ監督の編集感によるところが大きいと思われ作品の質を一段と高めているように感じた。
共同監督を務めるジェローム・ロビンズの演出によるダンスやボリス・レヴィンによるスタジオ美術、リタ・モレノなどの俳優陣も素晴らしく、ミュージカル映画の最高峰と呼ばれる評価も十分に納得できるものであった。
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