田中裕子当て書きの脚本をドキュメンタリー出身の監督が8年越しで世に出した作品。
唸るほど、見事に上手い方しか出ていない。
個人的には田中裕子と尾野真千子、怪物×怪物の対峙がスクリーンで観れて嬉しすぎた。
正直、内容は重い。
社会問題も彷彿とさせる。
感情も低いところを終始行ったり来たりなのだが、そんな主人公・登美子の心情とまるでぴったりリンクしたかのような劇伴は秀逸だった。
田中裕子さんの何が1番好きって、まるで空気と同化したかのように台詞を置くところ。
今作はその部分を非常に堪能出来て私得だった。
帰宅しても引きずりまくりYouTubeで舞台挨拶を見たら安藤さんが「田中さんと芝居で向き合うと魔法にかかったみたいになって…」と言っているのを聞いて、舞台挨拶で滅多に笑わない裕子さんが笑っていて。
それを見て私が泣いた。
あのシーンも、泣いた。
『ひとよ』の田中裕子はまだ記憶に新しいが…
何の因果か、
ひとよも、一夜。
いちやも、一夜。
『千夜、一夜』
全て観終わって、あのオープニングの儚さMAXのタイトルの出し方に納得いきすぎて、また泣きそうになった私。
厳しすぎるけど、狂ってるけど、
私も登美子側だな。。