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千夜、一夜のmakoのレビュー・感想・評価

千夜、一夜(2022年製作の映画)
3.9
《帰ってこない理由なんかないと思ってたけど、
帰ってくる理由もないのかもしれない。》
◎78点

年間約8万人―。それは日本全国の警察に届けられる行方不明者の数。ドキュメンタリー出身の監督が「失踪者リスト」から着想を得て、青木研次のオリジナル脚本で映画化。

突然姿を消した最愛の夫を30年にわたり「待つ女」のもとに現れたのは、2年前に失踪した夫を探す、もうひとりの「待つ女」。そして「戻ってきた男」。
北の離島でそれぞれの人生が交差していく。

30年待つ妻・登美子(田中裕子)
2年待つ妻・奈美(尾野真千子)
戻ってきた夫・洋司(安藤政信)

突然いなくなった夫を探しているという共通点はあるが、夫に対する思いはそれぞれあり、どちらが正解なんてないと思った。

突然いなくなるということが、どれだけ人を傷つけるのか。
悲しみ、諦め、怒りなどいろんな感情が2人の中で渦巻いていて、2人の待つ女を通して体験できました。

どちらの気持ちもよく分かりました。
私ならどちらの待つ女になるかしら。

印象的なシーンはカセットテープを聴く所。
登美子の深い愛、そして切なさを感じました。

難点は、登美子に想いを寄せる漁師の春男に対する言動かな。そこまで言わなくてもいいんじゃないかと思ったけど💦
でも、もう放っておいてという気持ちも分からないではないし、夫と比べると…だし😅

とても重めな内容でした。
出演者が豪華で実力派俳優が揃っててそこも見どころでした。
春男役のダンカンも役に合ってました。


観客 5人
劇場鑑賞 #123
2022 #137
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