ねこまるキャット

ファンタスティック・プラネットのねこまるキャットのレビュー・感想・評価

3.8
『瞑想』×『戦争』
巨人族に飼われる人間が知識をつけ、逃走し、反乱を起こす映画。

かなり独特な世界観。
好きか嫌いかは冒頭30秒で判断出来るかもしれない。

一見、異星人と人間のSF映画だが、風刺を効かした"人間同士の話"として見れる作品。

巨人の異星人には、発達している文明があり、小さい人間にはその文明を盗める知能があるも、"支配"されているという世界観。

小さい人間を娯楽などに用いていた異星人が、その事実に気付き、人間に領土を奪われ、逆に"支配"されるかもしれないと、危機感を覚え、駆除をする。

ぶっ飛んだ世界観で表現しているも、人種差別や戦争の歴史と何ら変わりない。

今作の異星人も人間も、ただ平和に生きていたいだけ。

自分とは違う人種が"力"をつける事によって、自分達の"安息の日々"が失われるのではないかという"不安"。

その少しの"不安"が散り積もり、不安の原因を一刻も早く排除しようと、安易な選択をしてしまう。

あんまり関係ないんですが、昔両親に、学校辞めて働くわーと言った時に、

「選択して決断するだけなのは楽だけど、正しいかどうか判断するのは難しい事だから、もうちょっとよく考えなさい」

と言われた事を思い出しました。

当時はあまり刺さりませんでしたが、今思うとなかなかセンスのある台詞。笑

めちゃ短い割に、強烈な印象が残る作品です。

これが35年前の作品というのが恐ろしい。

未鑑賞で興味があれば是非🐈