青あお

ファンタスティック・プラネットの青あおのレビュー・感想・評価

4.4
“悪夢のような世界線”

最近、お気に入りの映画を見返すのがマイブームになっています。
ということで、久々に観ましたよー。

いやー、この人の感情をやたらと不安定にさせてくるビジュアルセンス、やっぱり好きだわー(好きなんかい!笑)

子供の頃、虫(蟻とかですかね)に悪戯したことって誰しもありますよね?
踏み潰したり、羽をもいだり。
ありますよね?(2回目)
で、罪悪感、感じてましたか?って話ですよ。
罪の意識、うっすらあったような無かったような…

オム族を虐待しているドラーグ族ってその事に罪悪感を感じていないですよね。
人間であるオム族が虫みたいな扱いを受けている世界線。
それがこの「ファンタスティック・プラネット」なんですよー!

人間(オム族)である我々はそりゃあそんな世界に恐怖だったり嫌悪感だったり覚えるのは当たり前。
ましてや、人類の負の歴史みたいなもの
例えばナチスのガス室みたいなシーンもあるので余計にザワザワきます。
歴史的に虐殺を繰り返す人間の本質みたいなものを風刺してますよね、描きたいのはその辺かな?

気持ち悪いってわかっているんだけど見てみたい。
その露悪的な好奇心に勝てずに覗きこむ悪夢のような世界。
その結果、確実にダメージを負うのは自分なんだけど、その狂気を秘めた魅力にどうしても引き込まれてしまう。
ムンクやダリの絵にも同じ感覚を覚えたりしますね。

この手の作品が苦手な方へ
「絶対観ないでね、絶対!」
と、カリギュラ効果で好奇心を煽りつつ感想を終わりますね、笑。
青あお

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