さなD

ファンタスティック・プラネットのさなDのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

人間が飼われるシーンは見る人によっては嫌悪感が凄まじいかもしれないけど、これは人間が犬猫にするような愛情表現と似ている気がしなくもない。人間は愛情を持って接しているつもりが、当の動物は虐待や暴力に感じている可能性もある。もちろん動物の心は読めないのでどうしようもないし、それを考え始めたら動物なんて飼えない。そういう無情さ?みたいなものを感じた。
人間も人間で、闘獣抱えて戦わせたり、殺したモンスター後の血を浴びて喜んでたり立場は違えど違う残酷さや醜さがあるなと思った。

瞑想について、1970年代に既にこういった事に言及されているのが感心した。2010年代から瞑想の重要性について本などを通じて広まっている事もあって、今の時代に見ることによって理解しやすかった部分がある。
瞑想によって認知機能の向上があることは知られているし、もしかすると人類すべてに瞑想が広まり技術が発達にするにつれ瞑想の姿を変えていったのかも
ドラーグ人が高度に発展した人類と考えるならば、文明の発展によって瞑想が生活の大半を占めることは今後の人類にあり得るかもしれない。
今回はテールが地球に降り立ち人類として繁栄させるラストだけど、この一連の流れを宇宙は繰り返してるんじゃないか説が好きです。

独特なタッチやモンスター、機械などは見ていてどれも飽きず一種の美術的な個展を歩き回っている感覚で良かった。モンスターはどれも生き物を殺すことに特化していて自然の厳しさ、もしくは製作者の悪意(?)を感じる素晴らしい造形だった。

機械については首輪やロケットを作る機械は3Dプリンタの発展版を思わせるし、【レシーバー】はサイバーパンク物でよくある知識を直接脳に流し込むいわゆる電脳化で、どれも違う惑星のはずなのに人類の近未来を思わせるものでとても良かった。これも1970年代に作られている映画にしては先見性がすごいと思った。むしろこの映画からフォロワーが増えて、現代のSFにつながった?

ところどころの人間の表情どアップで止め絵になることがあるけど、女性がなぜかめちゃめちゃシュールな凄まじい剣幕のカットがあったりして見てて笑っちゃった
さなD

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