ほ

ファンタスティック・プラネットのほのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

公式の期間限定配信で視聴。
1974年のアニメーション、50年前とは思えないほど今見ても古さを感じない。
走り方のテンポが独特だな、と思ったら切り絵アニメーションでびっくり。わからなかった。

異形の人外が支配する星、人間の扱いが愛玩だったり野生で生きている世界でひとりの人間の赤ん坊(テール)が異形の家族の娘に拾われペットとして生きていくが…、というシナリオ。
不気味で不穏なオーラが常にあるが乾いた独特のテンポでさくさく見れた。
この世界では圧倒的に弱者のテールがどうなっていくのか展開が読めなくて先が気になる。

あとドラーグ族のルックスや瞑想のシーン、この星の生き物など、生理的に違和感があるデザインでそこに感心した。こわーい。

大きな主語になってしまうけど、この手のサブカル系アニメーションでよくある形而上の霞を掴むようなシナリオではなく(それはそれですき)、種族の格差/争い/和平のラインをきちんと描いていて、カルト的でもありながら万人向けにもなりえるのが名作の秘訣なのかなと思った。

あとわたしは藤子作品のミノタウロスの皿がすきなので、ティバが彼女なりに愛や慈しみをテールに向けているのは確かだけど、彼女の慈愛は小動物に向けるようなもので決して同等の種族に向けるものではない。
(彼女たちの種族にとっては当たり前だけど視聴者わたしたちはテールと同じ人間側なので違和感がある。)
相互不理解を纏っているのが好みだった。

でもティバの愛情があったからこそテールは最後に和平を選んだので、その辺りはシナリオうまいなーと思った。
ほ