安堵霊タラコフスキー

ファンタスティック・プラネットの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

4.7
GYAOで見られる内に見ておこうと見たのだけど、なんか最近見てるのアニメばかりになってしまった。

人間以上に知的だが青い奇妙な肌をした巨大な文明人ドラーグを描き、逆説的に人間の暮らしを皮肉ったように見えたが、この星の人間が文明人に飼われている姿がまるでペットの犬やハムスターみたいなのが風刺的だったし、人間を戦わせる結構残酷な遊びも闘牛や闘犬と変わらないと思えば反省もしてしまう。

原始的な人間が不思議な物を食べて輝いた後に性行する様子もまるで蛍みたいで、こういうところからも人間を皮肉りたいという監督の気持ちが窺える。

そして後半、反旗を翻した人間の姿もペットとして飼っている動物が似た行いをし出したらと思うと恐ろしくすら思え、文明人に同情心すら抱いた。

でも文明人が瞑想で奇妙な姿になったりする不思議な光景も、人間に例えると料理とか映画鑑賞等のように他の動物が見たらおかしく見えるであろう行為と同じだろうし、そういう点でも人間について色々客観的に考えさせられる描写が多かった。

こういう描写が一々面白く見えるのは、やはりルネ・ラルーの変態的なセンスがあってのものだろうから、この超現実的で特異な作品は唯一無二の存在として恒久的に語り継がれることとなるだろう。

ところでハンター×ハンターにもよく奇怪な動物が出て来ていたが、やはりこの作品から影響受けてたりするのだろうか。(終盤ブリオンみたいなのも出て来てたし)