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愛する人に伝える言葉のmomのレビュー・感想・評価

愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)
4.5
あまり目を向けられない、医師や看護師の重圧や葛藤、苦悩、悲しみ。
いつも元気に回復して退院していく患者さんばかりではない。

医師の説明が正直すぎると感じる人もいるかもしれない。
でも事実を率直に伝え、無駄な期待を持たせない説明の仕方に誠実さを感じる。

色々な可能性を挙げた上で、その中で出来うる最良最適な方法を患者の意思を尊重しながら決めていく。

医師には毎日のことだが、患者には初めてのことだ。

辛い。
まるで自分が余命を宣告されているようだ。
しかし主治医が患者の息子との対面を取り計らったりするだろうか。
特にこの先生は名医なので、一人の回診にそれほど時間を割けるとも思えない。
そこは演出なんだろうか。

医師同士のセラピーで歌ってた曲が、あたしが好きな『オール・ザット・ジャズ』でロイ・シャイダーが最後に歌ってた歌だった。
元は“Bye Bye Love”という失恋の歌を、“Bye Bye Life”に変えて、死にゆく男が人生の去り際に歌う歌だ。

メソッド演技も大変興味深かった。

母親が大人の息子を赤ちゃんのように抱っこするシーンに、胸が裂かれる思いがした。
泣きすぎて体内の30%の水分を失った。

追記:えっ!? あの医師本物やったん!?
どういう経緯で出演することになったんだろう。
名医で演技も出来てお顔も良いってどゆことー!
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