のすけ

愛する人に伝える言葉ののすけのレビュー・感想・評価

愛する人に伝える言葉(2021年製作の映画)
3.8
膵臓癌で余命宣告を受けた男。
やり尽くして最後まで戦うことが重要と思っている母親。
人生のデスクを整理し旅立つ許可を与えることが重要と語りかける医師‥この医師、本物の医師だそう。

沁みました。大事な人を亡くした経験の有無と、この作品を観る時の年齢によって感じ方が大きく変わる作品かもしれない。
20代の頃に観たらそんなに沁みなかったかもしれない。いつ訪れるか分からない死を若い頃よりは少なからず意識し始める年齢になってくるといろいろ刺さるものがある。
大事な言葉がたくさん詰まっていました。

情報が溢れ過ぎている現代、何が大事なのかが見えなくなり、余計な゙荷物を背負いまくりながら人生を歩んでいるのが我々なんだろう。
本当に大事なものはきっと一握りで、死を目の前に感じたときに、それに気づくんだろう。
その時に必要な言葉はあのシンプルな5つの言葉ということか。

誰もが通る道であるにも関わらず、唯一先人の知恵が残っていない「死」の恐怖や痛み。分からないからこそ誰もが怖い。医師も分からないと言いながらも、その瞬間をたくさん見てきた人の言葉はやはり説得力があるし、医師としてあえて困難な道を選択し、一人一人と真剣に向き合い、本当の意味での安らぎに導く信念に感服するしかない。