なお

ショーシャンクの空に 4Kデジタルリマスター版のなおのレビュー・感想・評価

5.0
"裁きはいずれ下される"

「一人で何が悪い!クリスマス名作映画祭」の2本目。
ちなみにこの日放映されたのは4Kリマスター版。
…とのことだが、目黒シネマの設備の都合上か2Kでの上映と相成った。
(それでも映像は十分美麗)

作品自体は今回が2度目の鑑賞。
前回の鑑賞時は、今ほど映画に関心も感度も高くない状態だった。
あれから時が経ち、当時よりは映画に関しての見聞は広がったし、多少は見る目も肥えてきたという自負はある。

その目を通じて、映画史上に残る名作と対峙した結果やいかに…

✏️必死に生きるか、必死に死ぬか
もう全てが完璧の名作。
前回鑑賞時は拙い記憶を頼りに★4.5をつけていたのだけど、そんな自分をぶん殴ってやりたいくらいの名作。

主人公・アンディ(ティム・ロビンス)は無実の罪でショーシャンク刑務所に投獄され、残忍な性格の看守や刑務所長、日常的な暴力や性的虐待を厭わない悪辣な囚人たちに囲まれ、まさに”超逆境”からのスタート。

ふつうの人間ならばこの時点で精神を病み、廃人となるか自ら命を絶つ絶望的な状況。
しかしアンディは決して”希望”を捨てない。

元銀行員という経歴や趣味の鉱物採掘から得た知識と”教養”で徐々に看守や囚人たちの心をつかみ、やがてショーシャンク刑務所を内側から変えていく立役者となっていく。

だが、これに味を占めた所長はアンディに自らの悪事の片棒を担がせる。
さらに、自らをまるで教師のように慕ってくれた若い男囚が所長の指示によって暗殺されてしまう。
ここでついにアンディは希望を捨てるか…!と思われた矢先の、教養と知略、そして忍耐を武器とした”大逆転劇”。

そしてラストに訪れる、アンディと本作のストーリーテラーでもある囚人のレッド(モーガン・フリーマン)が感動の再会を果たすというハッピーエンド。

逆境から始まるも、自らが持つ教養と知識で再起を目指す。
幾たび訪れる艱難辛苦にもめげず、希望を捨てず立ち向かう。
そして最後には、伏線---自らが蒔いてきた種を芽吹かせ、暴力ではなく緻密な作戦と知略を持って巨悪を打ち倒す。

この作品はやはり、名作と呼ばれる映画に必要な要素は当然のこと、我々人間が正しく生きるにあたっての必要なこと---教養・希望・勝利---それら3つの要素を余すところなく兼ね備えている。

☑️まとめ
本作は単なる娯楽映画として楽しむのはもちろんのこと、各シーンに聖書の一節のメタファーと取れるシーンも多くあり、それらに対して思いをはせるのもまた一興。

また金言や名言のオンパレードでもあるため、一度だけでなく何度でも、何度でも繰り返し見ることができる。

遅ればせながら、個人的オールタイムベスト入りです。

🎬2022年鑑賞数:115(52)
※カッコ内は劇場鑑賞数
なお

なお