Omizu

わが心に歌えばのOmizuのレビュー・感想・評価

わが心に歌えば(1952年製作の映画)
3.6
【第25回アカデミー賞 作曲賞受賞】
実在の歌手ジェーン・フローマンの伝記映画。ゴールデングローブ賞ではミュージカル・コメディ部門作品賞、主演女優賞(スーザン・ヘイワード)を受賞した。アカデミー賞では主演女優賞、助演女優賞(セルマ・リッター)、録音賞、作曲賞(ミュージカル映画)、衣装デザイン賞(カラー)の5部門にノミネートされ、作曲賞を受賞した。

ジェーン・フローマンと言われてもピンとこない日本人がほとんどだろう。僕も知らなかった。戦前から戦後にかけて人気を誇った歌手で、航空機墜落事故で右足を負傷、以来それと闘いながら歌い続ける姿を描く。

歌は実際のジェーン・フローマンの歌声らしい。それはそれでいいけど、スーザン・ヘイワードが実際に歌うのも聞きたかったな。

まあ普通の女性歌手の半生という感じ。後半にいくにつれて愛国色が強くなっていくのが印象的。真珠湾攻撃のラジオが流れたり、クライマックスは慰問公演だったり。

恋愛描写もいい塩梅かな。彼女を見出したエンターテイナーの男と、空軍のパイロットとの間で揺れるジェーン。落ちの付け方はスッキリしていて納得できるものだった。

スーザン・ヘイワードの溌剌としたパフォーマンス、カラー撮影ならではの鮮やかな色彩感覚がとてもいい。

ミュージカルとしても伝記映画としても文句はない秀作。
Omizu

Omizu