シリーズ物が苦手な僕でも短期間で3本連続鑑賞できたのは、1本の時間が90分以内というコンパクトな構成と、人種差別を背景にした社会派作品でありながら、全体の雰囲気はあくまで軽いノリのコメディに仕上げているからなのだろう。
「1」はスコア4.5を付けたものの「2」はやや厳しい出来。そして、学園ミュージカルでありながらエイリアンまで登場して、ダンスで盛り上げてしまうこの「3」では、持ち前の軽いノリが良い意味で功を奏して「1」譲りの楽しさが復活していると思う。
地球外生命体でありながら、アンドロイドみたいな風貌をしているエイリアンの設定が何ともアメリカらしい雑さ加減(褒めている)。フランスのテクノ・ユニット「ダフトパンク」がロボット風のマスクを着けてアメリカでブレイクした事があったけど、本作のエイリアンは彼らの雰囲気に似ている。アメリカ人がイメージするエイリアンや最新テクノロジーって、こんな感じなんだろうな笑
この独特なエイリアンの設定のおかげで、彼らが繰り広げるダンスの個性がしっかり強調されており、音楽やダンスの面でグダグダだった「2」よりもメリハリが効いている。ストーリー的な結末はやや強引だけど、それさえ何だか許せてしまう魅力がある。
自らの感情をコントロールする技術を持つエイリアンが、直ぐに感情が高ぶってしまう地球人を馬鹿にするシーン。ここで主人公のアディソンが放った言葉が印象的だった。衝突する事で人と人の違いを尊重し合えるようになる。ただお行儀良くしている事が平和ではないのだ。