評点5.0では足りない。いや、そんなことを考えるのも野暮なことか。カオスの中に身を起き、限界を探求する。そしてそれらを「アート」として創作する。アーティスト、デヴィッド・ボウイの無限の深淵の一部を垣間見たような感覚。いわゆる劇映画における没入感とは違う、デヴィッド・ボウイ本人の中に沈み込んでいくような感覚は、まるで宇宙を浮遊しているかのようであり、ボウイによるアートの中に飛び込んでいくようでもある。これは音楽ドキュメンタリーではなく、ボウイによるアート作品と言って差し支えないだろう。これまで観たどんな映画とも違う体験にしばらく茫然としてしまった。これを「名画」と呼ぶのではないだろうか。
