Mariko

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリームのMarikoのレビュー・感想・評価

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ボウイ自身が生前に作っておいたのではないかと見紛うような混沌としたサイケデリックな世界に浸る135分。
世に言うドキュメンタリーとは一線も二線も画した構成に目眩を起こしながらその渦の中での浮遊感に身を委ねていたら、気がつくとエンドロール、Starmanで我に返った。

地球に落ちてきた男、というよりもはや未知との遭遇と言った方が正しいであろう存在。20世紀最大の哲学者なのでは、とさえ思えるボウイなので、彼自身のナレーションで語られるその言葉は一言一句もらさず聞きたいのに、あまりの美しさに目を奪われているうちに、その言葉がすり抜けていってしまう。自分が聖徳太子でないことをこんなに恨めしく思うこともそうそうない。でもこれはIMAXでの没入感あっての、なので、配信や円盤で家で同じ体験ができるかというと、どうなのか。あああ。

まあ、とにかく劇場で、IMAXで観られてよかった。終映直後、連れが「あのエイドリアン・ブリューがギター弾いてるツアー、NHKホールで観たんだよ」ってその時の話を始めてうぎゃあなにそれずるいーー!!ってなったところまでセットで笑。
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